トランプ氏が教育について語っているのを聞いたことがありますか?
日本では、トランプの経済・外交政策に加え、暴言の数々は取りざたされましたが、彼の教育観・教育政策についてはなかなか語られていません。
トランプが通称「Upenn(ユーペン)」(ペンシルベニア大学)のビジネススクールという超超名門校出身でありながら、低所得者層やブルーカラーに支持されているということで、彼の教育観が気になっていました。
そこで、今日は本を読んで分かった、彼の教育観を3つにまとめてみたいと思います。(長くなるので続編記事は近日中にUPします!)
①学校教育の権限と責任を、各州や地域社会に取り戻すべき!
簡単に言うと、教育行政は、トップダウンではなく、ボトムアップで行うべき!というのが彼の強固な持論です。
日本で例えるなら文科省に当たる、アメリカの「米国教育省」がありますが、彼は
「あんなものはつぶしてしまえばいい」と語っています。
その理由は、米国教育省が、全国共通の教育システムをトップダウンでうまく運営する能力がないから、とバッサリ。
その代わり、米国各州や地域社会が作り上げてきた、独自の「最高の教育」システムを擁護し、この機能を取り戻させるべき、と持ち上げています。
これも日本で言うなら、
文科省に大反対、子どもにとって最高の教育が何かを決める権限と責任を各都道府県(や教育委員会)・地域社会に移す、ということになるでしょうか。
特に、人口も国土も日本の倍以上あるアメリカであれば、そしてアメリカという国の地方分権の重要性を考えれば、妥当であるとも思えます。(トランプの語り口もド正論でちょっと驚きました笑)
②子供に必要なのは、勝つこと・成功すること・忍耐すること!
彼の言葉を引用しましょう。(太字・下線は筆者)
子供たちに実人生の準備をさせる代わりに、彼らが自尊心を持ち、自分自身を心地よく感じているかどうかばかりを気にする。「ポリティカリー・コレクト」(政治的・社会的に公正・公平・中立的で、なおかつ差別・偏見が含まれていない言葉や用語のこと)主義者が学校をのっとり、その結果、我々は子供たちを「落第」させてしまった。
もう少し続きをみてみます。トランプの語る教育の問題点。
米国の学校、教師、子供たちの能力はもっとはるかに高いものだ。問題は、我々が高い目標や要求を掲げず、安易な道を選んでばかりいることだ。我々はもっとタフ(トランプの口癖)にならなければならない。自尊心など糞食らえだ。挑戦する子供を作らなければならない。一生懸命やらない子供は落第させるべきだ。
日本の教員として、この言葉がちょっと刺さった人は静かに挙手して下さい(はい)
確かになあ〜と思います。生徒たちがいつからか「身の程」をわきまえて生きるようになってしまった気がします。なのに、就活では「私は挑戦してきた人です」なんて自己PRがよしとされる。就活生も、時代が要求するから何でも必死に「挑戦ストーリー」にしたがる。
個性や自尊心を甘やかすことに使っていたら、それは見直すべきなのかもしれません。
③学校自身も、競争すればいい!
①と②でみた理由ゆえに、と言えるかもしれませんし、
彼自身が何度失敗しても成功するまでやり続けたタフなビジネスマンであるからゆえに、かもしれませんが、彼は、学校選択制にも賛成しています。
これも正面切って言っています。
学校同士が生徒獲得競争をすればよい。
学校の質が格段に上がることを保証する。
トランプの著書を読んでいて思うのは、彼は教育を重要視し、「競争」の価値を心から信じ、心からアメリカを愛しているということです。(それがどういう表現で表出したとしても)
だから、アメリカの未来を担う子供を育てる教育に、「競争」原理をもっと取り入れること。そして、その教育を担うアメリカの教職員のことも大切にしています。
多くの優秀な教師が十分な給与をもらっていない。
これは現代社会の七不思議の一つだ。
子供が教師から受ける影響は甚大にも関わらず,最高の人材を引きつけられるほどの金をこの職業に払っていない。
自分を棚上げしますが、これ言われたら、ぐっとくる教員は多いだろうなあ、と思います…。
◯おわりに
今日はトランプの根底にある教育への考え方が伝わっていれば…と思います。
具体的な教育政策や、理想の教育の実現方法などは触れませんでしたが、続編記事で、そのあたりも書きたいと思っています!
●トランプ関連の記事はこちら
●今日の記事の主な参考にしたのはこちらの本でした。